2012/12/12
フランス、パリ
先週まで11日間、久しぶりにパリに行ってきました。
パリはまさに第二のジャポニスムと言いたいような
日本ブーム。といっても和食ブームでした。
なんと、和食の店がマクドナルドの店舗数を抜いたそう。
なんちゃって寿司も含めて、どの店もフランス人の客で賑わっていました。
健康ブームとトレンドのひとつとして和食を食べるのはかっこいいのだそう。
デリバリーの寿司ショップも人気で、
黒いヘルメットに忍者みたいな黒い服を着て
さながらピザの宅配のように黒いバイクで街を走る姿を何度か目撃しました。

こんな店構え。

デリバリーの巻き寿司
2012/12/12
すっかりご無沙汰してしまいました。
慌ただしく過ごしている間に更新できぬまま随分時間がたってしまいました。
このところサライの連載で旅が多くて、
金沢に金箔、米沢に紅花染め、東京下町に浮世絵の彫り師・・・と
日本を旅していました。
といっても、ほぼ日帰りに近い取材なんですけど。(笑)
古き良き日本の風景と、
そこで伝統を守り抜く職人と呼ばれる技師の方々に出会うと、
日本の美しさや人々の真摯な心意気にじーんと胸が熱くなります。
日本美術を支える技は、見えない手間が途方もなく多くて、
まさに下支え。感動します。
よかったらサライ見てください。
結城昌子
2012/10/23
なんでゴッホはあんなに急いで次々描いたかを考えてみた。
ゴッホがほぼ二日に一枚のペースで絵を仕上げていったという急ぎ方がずっと気になっていました。もっとのんびり描いていたなら・・・、なんてつい考えてしまいますよね。
もちろん病気のこともあったと思いますが、最近私はこんな風に思うようになりました。
ゴッホにとって絵を描くことは仕事(ワークじゃなくてビジネス)だったんじゃないかって。
ゴッホはある時からテオと契約したんです。生活費の変わりにすべての作品を送るって。
だから遊んでいたらクライアントのテオに申し訳ない。出してもらったお金に相当するものを渡すのが自分の役割だと感じていた。つまり完璧な職業意識があった(きわめて独りよがりかもしれない)というわけ。だから、絵の詳細を書いた手紙をたくさん出すのも「私は今、こうしてあなたの仕事をこなしていますよ」って伝えるためだった。
テオを愛していたゴッホは少しでも多く、いい作品を送りたかった。自分は情けで面倒を見てもらっているわけではないと自ら納得するためにも。先払いの仕事を引き受けた人間ならそう考えても不思議無いですよね。
後世の人は兄弟愛として受け入れてしまうけれど、ゴッホにとって生命線である収入源を守り、継続させるためにはテオを説得し、満足させる必要を日々感じていたのだとしたら・・・。
こんな風に考えると何となく合点がいく気がするのです。テオだって他の画家をいっぱい抱えた目のいい画商だったのですから。
もちろんそれだけではないに決まっているけれど。
美しい兄弟愛を思うゴッホファンから叱られてしまうかもしれませんね。かなり現実に毒された見方にすぎないって。
でも、もしそうだとしてもゴッホの絵の価値が変わるわけではないのです。
だた、もう少しのんびり描いていてくれたらひょっとするともっと新しい作品を見ることができたかも、ってついつい欲張ってしまうんす、私。ゴッホって説教師の仕事でも、誠心誠意すぎてしまうほどです。仕事への律儀さが結局命を縮めてしまった。そしてその律儀さあったからこそ、こんなにも多くの作品を私たちに残してくれた・・・。やるせないですよね。
結城昌子
2012/10/05
ザ・プロファイラー 2
番組のことを書くのを忘れました〜。
放送日は10月17日(水曜日)21:00〜 NHK BS
ゴッホ ー幸せの黄色を届けたかった男ー
追跡者 ザ・プロファイラー
岡田准一さんの番組です。
この番組、西太后とかコロンブスとかヒットラーとか・・・
歴史のなかの人物にスポットを当ててプロファイルするという内容です。
昨日、ゴッホの回のスタジオ収録がありました。
ジミー大西さんとゴッホの研究者の國府寺司先生と
ご一緒させていただきました。
よかったら見てください。
結城昌子
2012/10/05
ザ・プロファイラー 1
8月の末、「ザ・プロファイラー」というNKH BS の
番組のため、V6の岡田准一さんと一緒に
ハウステンボスで開催中のゴッホ展を訪ねました。
朝8時の飛行機に乗ったので、到着したのは昼前。
会場にはパリ時代のゴッホ作品がずらりと並んでいました。
見たこともない作品もあって楽しかったです。
なかでもゴッホが描いたテオの肖像画には
ちょっとジーンとしてしました。
困ったような目はそっくりですが、隣のゴッホの自画像と比べると
もちろん微妙に違います。思わずテオという
もうひとりのゴッホへ思いを募らせてしまいます。
きっとそばにいたらかなわないだろう偏屈さと絵画に対するひたむきな
純粋さを併せ持つ兄に、テオは随分消耗したんじゃないかと思ったりしました。
それでも、アパルトマンの一番広い部屋を兄のために用意したテオは
やっぱり凄い存在ですね。
ゴッホのパリ時代といえばそんなテオと一緒に暮らした記念すべき時間。
印象派に触れ、(ゴッホがパリについてすぐ最後の印象派展がパリで開かれていますよね)
画家仲間との交流が始まった刺激的な日々。テオといる安心感もあったのかもしれません。
画風がどんどん変わっていく様が伝わってきました。
ゴッホの絵がゴッホの絵になっていく感じが味わえました。
意外に混んでなく、岡田さんが一緒だったにもかかわらず、
結構ゆっくり見ることが出来ました。
この展覧会、一度日本を離れた後でもう一度戻ってくるそうです。


この建物の中に美術館があります。
ハウステンボスは始めてでしたが、
本当にオランダにいる気分になれる素敵なところでした。
個人的には若い頃に、何度か訪ねては
あてもなくぶらぶらしたハーグの町を思い出しました。
結城昌子