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2015/11/22

ラジオ深夜便 

ニキ・ド・サンファルについて 
ラジオ深夜便で語りました。
今はこちらで聞けます。
http://www.nhk.or.jp/shinyabin/doga/k04.html
次回は春画展を取り上げました。今夜0時30分頃からです。
良かったらそちらもどうぞ。
結城昌子

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2015/11/17

村上隆の五百羅漢図展

現在六本木、森美術館で開催中の
「村上隆の五百羅漢図展」のオープニングに行きました。
ちょうどハロウィンの日だったので,
会場を行き来する仮装した人たちがとても華やかでした。
もちろん計画されたものです。
写真.JPG
写真 4.JPG
個人的には本当に迫力満点な作品を
ゆっくり鑑賞したかったので、
ちょっとサービス過剰気味にも思えましたが、
現代アートはパフォーマンス込みで作品なのだと思えば
それなりに面白かったです。
それにしても村上さんのパワーは驚きです。
キモ可愛いい羅漢さんが濁りのないキラキラ感で画面を埋め尽くす。
何ともゴージャスなんです。
写真 3.JPG
これぞ日本美術のDNA!? この作品好きです。
クリックすると少し大きくなります。
今回の五百羅漢図展は日本の伝統的な図像や
触発された文学など(制作風景も)も紹介していて、
世界に向けて「勝負」って感じの意気込みが
ひしひしと伝わってきました。
結城昌子

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2015/11/14

アルフレッド シスレー展

東京、練馬区立美術館で開催したシスレー展。
残念ながら展覧会会期は明日で終わってしまいますが、
個人的にはとても興味深い展覧会でしたのでご報告です。
写真 5.JPG
えっ、シスレーの何が? と思われる方も多いと思います。
そう、シスレーの絵は変わらず
清々しい風と温かい日差しに包まれた印象派らしい作品でした。
が、展覧会の中でパリの治水関連の資料が
たくさん展示されていたのです。
ご存知シスレーの「ポール・マルリーの洪水」でも
知られるように、印象派の当時セーヌ河はしばしば氾濫し、
パリも何度も水浸しになっていたそうです。
そこでその頃大規模な治水工事が施され、ようやくセーヌ河が
穏やかな水面を取り戻したということでした。
それによって印象派は、川面に映る景色を描けたり、
モネのように川に舟を浮かべて描いたりが
できるようになったということ。
アートは時代と共に生きるという原点が
ここにも見られるのだと納得の展示でした。
印象派誕生には時代の空気が様々に関係しています。
鉄道網がセーヌ河畔に沿って伸びたこと。
チューブ絵の具ができたこと。などが語られてきましたが、
治水工事が進んで穏やかな水面が手に入ったことも
若き画家たちにとっては重要な要素だったんですね。
印象派が時代の変わり目を敏感に感じ、描いていた
証をまたひとつ見つけた気がしました。。
結城昌子

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2015/11/08

ニキ・ド・サンファル

現在国立新美術館で開催中の展覧会です。
とても良質で感慨深い展示でした。
これに関しては、「ラジオ深夜便」でも、「家庭画報」のコラムでも
紹介しますので、そちらをチェックしていただけたらと思います。
写真 6.JPG
写真 7.JPG
ニキの作品を私が邪魔してますね。
私がたて続けにこの展覧会を扱うのは
もちろんはこの女性アーティストの作品を好きなことは
言うまでもないのですが、
それに加えて、ちょっとした思い出があるからです。
イタリアのフィレンツェに旅に出ていた際、時間ができて
「せっかくだから何か見に行こうよ」と友人二人と相談し、
「ニキのタロットガーデンなんかどうかしら?」と
気軽な気持ちで車を走らせました。
タロットガーデンはニキと夫の彫刻家ティンゲリーとが
晩年に作った彫刻公園。
何の準備も無くひたすら走ること数時間。
行けども行けども目的地にはたどり着けず、
朝早くに出たにもかかわらずやっとの思いで辿り着いた時は
既に午後を廻っていました。
何とも辺鄙な場所。でも確かにここらしい。
が、悲しいことに門は閉まったまま。つまり休園日だったのです。
疲れがどっと出たことは言うまでもありません。
それでも諦めきれず、公園の周りをぐるぐる回り、
木々の間から見え隠れする色鮮やかな彫刻の断片を見ては
ため息に次ぐ、ため息。
「公園にも休みはあるんだね」としょぼくれて帰ることに。
改めて地図を広げると、なんとフィレンツェよりも
ローマのほうがずっと近いではないか。ここは一体どこだ?
今では悲しくも素敵な思い出です。
とはいえ、帰り道、何気なく立ち寄った
どこかも分からぬ海辺で食べたボンゴレがすこぶる美味しくて、
空腹と疲れで弱っていた心をいきなりハッピーにしてくれたことは
忘れられません。
本当に感動的に美味しかったのです。
今でもあの旅を共にした友人に会うと
誰もニキのことは語らず、あのボンゴレの美味しさだけが
語り継がれています。(笑)
結城昌子

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2015/11/08

絵画コンクールの審査は楽しい。

唐突ですが、私は子どもの絵を見てきた数に関しては結構な自信があります。
毎年いくつもの絵画コンクールの審査員をしていたり、
朝日小学生新聞の連載20年の間に毎週のように送られてくる絵を通して、
たくさんの力作に日常的に触れています。
そして元気をもらっている気がします。
ことに夏から秋にかけては審査会が多く、
しばらく子どもの絵を見ていないと寂しくさえ思えてしまうのです。
多分私は子どもが描く絵が大好きなのだと思います。
で、私がお引き受けした今年のコンクールをまとめてみました。
「花王メリットみんなの夢 絵画コンクール」
このコンクールの素敵なところは、絵の善し悪しだけでなくそれぞれの夢が
描かれることです。
宇宙を旅したいとか、恐竜に乗って世界を巡りたいとか、
海底都市に住んでみたいといったベラボーな夢もあれば、
サッカー選手になりたいとかネイリストになりたいとか
憧れが描かれることもある。
中にはお父さんのようになりたいという微笑ましい絵も登場する。
夢を描くのだから、当然力が入るし、細部が生き生きしてくる。
なかなかどうして審査は難しく、そして楽しいのです。
このコンクールの審査員は毎年、メリットのCMに登場する
方々も加わっています。
仲村トオルさんや乙葉さんや江角マキコさんなどとご一緒してきました。
昨年からは井ノ原快彦さんとご一緒しています。
子供の絵を熱心に見る姿はテレビで見る以上に素敵です。
「ふるさとのお盆の思い出絵画コンクール」
お線香やルームフレグランスで有名な日本香堂さんが主催しています。
今年はなんと16年目。
持続は力なり。今年も6万を超える作品が集まりました。
一口に6万と言うけれど、
昨年の受賞者に聞けば一枚に16時間かかったそう。
それぞれが絵を描くのに平均4時間かかったとすれば、
延べにすればすればこの一年で全国の子供たちの24万時間が
費やされた計算。これはすごいことです。
この年月を続けるのは並大抵のことではないと思います。
もちろん作品のレベルは高いのは言うまでもなく、
夏休みを元気いっぱいで過ごす日本の子供たちの健やかさには
涙が出そうになります。
審査員長はふるさとを描く日本素朴派の画家の原田泰治先生です。
「わたしのふるさと自慢絵画コンクール」
このコンクールは長野県で有名なホームセンター
綿半ホームエイドなどをもつ
綿半ホールディングスさんが主催しています。
信濃毎日新聞社やSBC信越放送などが共催していて、
長野県の魅力爆発の作品が集まります。
ふるさと長野の自慢は名所旧跡ばかりではなく、
通い慣れた道や学校、食べ物や家庭用品、
はては家族や友人など多岐にわたり、
「あー長野県て本当にいい所なんだなー』と毎年心から思わせてくれる
傑作が並びます。東京者の私にとってはうらやましい限りです。
このコンクールの審査も原田泰治先生とご一緒しています。
毎年審査会と表彰式に行く長野は、私の第二のふるさとになりそうです。
今年は北陸新幹線が開通したので、
なんと東京、大宮で停車したら、次は長野という潔さ(笑)。
うとうとしていたら富山までいってしまいそうでした。
「ミツバチの一枚画絵画コンクール」
山田養蜂場さんのコンクールです。今年で3回目。
先きに書いたようにますます楽しみなコンクールです。
審査員は玉川大学名誉教授の佐々木正己先生で、
ミツバチ研究の第一人者です。
他に里山写真家で昆虫に詳しい今森光彦さん、
朝日学生新聞社の代表脇阪嘉明さんに加え、
山田養蜂場の山田英生社長です。
「世界こども図画コンテスト」
家の光協会が主催しています。
家の光協会は宗教団体と間違えられるそうですが、
農業・農村文化の向上を目指すJAグループの出版文化団体です。
このコンクールは23年目を迎えますが、
私は先年から参加しています。
今年は77カ国からの参加があり、日本の子どもたちとは
ひと味もふた味も違う驚きの作品に目を見張ります。
とはいえ、「私の絵を世界に発信したい」という
子どもたちの情熱はどの国でも等しく、
絵画が世界の共通言語だということを改めて実感できる
貴重なコンクールです。
最終審査である第2次審査は昨日終了したばかり。
まだ、心躍る作品の数々がまぶたに焼き付いています。
それぞれの国で、絵を描く子どもたちの姿を思い浮かべながら
作品を見るひとときは格別で、居ながらにして
世界各国の香りに浸ることができます。
「日本全国子ども料理サミットお絵かき部門」
日本全国子ども料理サミットは農林水産省が主催するもので、
今年から絵画部門が新設され、審査員をお引き受けしました。
とは言っても応募者は全員幼児。
郷土料理を描くという一風変わったテーマで、日本の食の豊かさを
感じました。画面からはみ出すほどいっぱいに描かれた料理の数々に
絵の出来栄えを超えた微笑ましさに審査を忘れてしまうほどでした。
「自己表現コンクール」
このコンクールは自己表現なら何でもOKというコンクール。
NPOの活動で、絵画の部の審査に協力してはや15年になります。
作文あり、短歌あり、音楽や、VTRによるダンス、
英語のスピーチなど様々なジャンルに挑戦。
500円〜800円を支払って応募すれば、
寸評がついて返却されるというシステムです。
先生方はすべてボランティア。
年末に表彰式があり、毎年結構盛り上がるんです。
他にも作文のコンクールもお引き受けしています。
こちらはエッセイスト結城昌子として審査しています。
これに関してはまたの機会に書きますね。
結城昌子

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