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2013/11/17

「日本美術の技」の旅

雑誌サライの連載「日本美術の技」も二年目に入りました。
月刊誌の連載は、朝日小学生新聞の連載のように週一で巡っているわけでは
ありませんが、一ヶ月ってあっという間です。
この秋は、奈良、會津、東京、茨城と足をのばしました。
奈良は墨の都でもあり、古くからの伝統が今もきっちり継承されて
います。その伝統に「よい墨になるか否かはニカワしだい」という
墨運堂・松井会長の研究が加わって、奈良の墨は新しい局面を
迎えているようです。
「結城さん、墨を使った作品作りにもぜひ挑戦してください」との
言葉をいただいて、墨と筆を使った日本風な絵本作りへと
背中を押された気分です。いつか挑戦してみたいですね。
それにしても今も油を燃やした煤から、それを集め練り上げ墨をつくっている
人々がいることに、感銘と刺激を受けた取材になりました。
sumi.jpg
(宮地工 撮影)
結城昌子

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2013/11/17

大塚国際美術館のモザイク画

8月から更新できずに、秋を通り越して冬を迎える時期になって
しまいました。朝晩寒くなってきましたが、
皆さまお元気でしょうか。
この間のこと、いくつか書いておきたいと思います。
大塚国際美術館での夏のイベントで
一枚の興味深いモザイク画と出会いました。
「ナイルモザイク」というその絵。
ナイル川の上流から下流までを一枚の絵とした楽しくて
ちょっとふしぎな作品です。
nile_all72.jpg
大塚国際美術館には、有名な
「アレクサンダーモザイク」もあってモザイク好きの私は
うれしいのですが、このナイルモザイクには驚かされました。
ちょうど「洛中洛外図・舟木本」の謎を追いかけていた毎日だったことも
あってか、それぞれの場所での暮らしを細かく表現している感じが
(上流では人々が弓矢で動物を追いかけ、
下流では宮殿でお祭り騒ぎをしています)
nile_all72-2.jpg
「いつでもでどこでも画家の目って変わらないな」という思いに
つながり、ひとり悦にいっていました。
おもしろい絵です。
徳島の大塚国際美術館を訪れた際には、ぜひチェックしてみてください。
結城昌子

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2013/07/18

今年も、鳴門でサマーイベントやります!

皆さん、お元気ですか?
暑いですね。
なのに今日も各地から豪雨のニュース。
雨が欲しい地方と、雨要らない地方がちぐはぐな感じです。
野菜も値上がりしているし。。(苦笑)
そんな暑さの中、「暑さなんか忘れちゃおう」というわけで
今年も恒例となった、徳島県鳴門市にある
大塚国際美術館のサマーイベントを
お手伝いさせていただきます。
今年は名付けて「名探偵は美術館にいる!」。
うん? どこかで聞いたような。。
そうなんです。
この美術館では、映画「テルマエ・ロマエ」のヒット以降
古代ローマ美術への人気がぐんぐんアップしたそう。。
マンガや映画の力って凄いなあ、、と思いつつ、
映画の題名をちょっとお借りしました。
といっても、私のイベントは映画と全く関係なく、
集まった子どもたち家族の皆さんと、
与えられた画像ヒントを手がかりに
全図に迫るという探偵ゲームです。
なんとなく全体を眺めているだけでは
見過ごしていたものがよ〜く見ていると見えてくる。
この瞬間ってたまらないんですよ。
画家の目線とか、絵のなにかとぴったり重なった感じで。
こういうお話もおいおい書いていくとして
7月27日(土曜日)の午後
お時間のある方は鳴門まで足をお運びください。
大阪、神戸からも思ったより近いです。
(下のチラシ画像の日付の曜日間違っています。
開催日は、27日=土曜日です。)
結城昌子
chirasi2013.jpg

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2013/05/27

サライ 芦屋釜

月日の経つのは早い。社会の変化も早い。
じっくり腰をおちつけた歩みそのものが難しいと思っていた矢先、
福岡県の小さな町で素敵な文化復興プロジェクトに出会った。
今年1月のことだ。
88年〜89年、時の竹下内閣が「ふるさと創成資金」と銘打って
各町に一億円を配った。
バブル期らしい、今となれば耳を疑いたくなるような政策だけれど
ここ芦屋町は目先の派手さよりも将来につながることを
考えた(のだと思う)。役場が偉かったのか、
町の人々の志が高かったのか。。とにかく
江戸初期に途絶えた地元の名品「芦屋釜」(茶道の茶釜)の
復興を志した。
ところがプロジェクトは予想外に難航した。
さまざまな壁を乗り越え、プロジェクト開始から十数年
ついに今春、見事な芦屋釜を作り出す一人の芦屋鋳物師が誕生した。
技を間近で見させていただいた私は
それをサライの連載の今号に短い文章で書かせていただいた。
店頭に並ぶや、多くの方々から静かな激励の言葉が届いた。
いや。。これらのあたたかな言葉は
芦屋釜復興を支えた若いスタッフの皆さんにこそふさわしい。
「日本美術の技」の連載は続きます。
人知れずリレーされていくこんな素敵なプロジェクトを求めて。。
もしそのようなお話がお近くにあれば、ぜひお聞かせください。
よろしくお願いします。
結城昌子
serai1305.jpg

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2013/03/30

ラジオ J-WAVE SUNDAY LIBRARY

今月はじめ2日と9日の早朝、
J-WAVEに出演させていただきました。
J-WAVE サンデーライブラリー
というちょっと知的な番組。なんと2週にわたり、
さまざまな音楽(どれも私の好みにぴったり)をはさんで
各1時間流れます。
ナビゲーター深澤里奈さんに誘われるようにして、
いろいろな方向に話が展開。
こんな話してたんだと今では自分自身感慨深い感じです。
J-WAVEさんはこの番組をオーディオブックにして
ネット販売していらっしゃるようです。最近知ったので、
サイトをご紹介しておきますね。
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といっても、私のブログを時折チェックしてくださっている皆さんには
「いつもと変わらない話してるなあ〜」
という感想になるに違いない内容なんです。。。(笑)
でも構成する力って凄い。
こんなにまとまった話し方はしていないと思うのですが
それなりのまとまりで聞くことができます。
スタッフの皆さま、ありがとうございました。
最近は、「日本美術を下支えする技術」を訪ねて
米沢、福岡、佐賀、京都と
あわただしい日々が続いています。
今、目にし耳にしているものの精髄(?)を
また皆さまにお届けできたらいいなと思っています。
結城昌子

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