2020/04/21
画集をめくって過ごす日々
もうどれほど家にいることでしょう。
昼下がりのひとときを画集をめくって過ごしました。
今からほぼ100年前。
1918~20年に世界を襲ったスペイン風邪。
スペイン風邪は世界各国で多くの死者を出した
インフルエンザです。
でも、スペインで発生したわけではありません。
スペインの流行が大きく報じられたためについた俗称だそうです。
ウィーン世紀末の画家、エゴン・シーレもその時の
スペイン風邪で亡くなっています。
奥さんのエディットが亡くなり、
3日後にシーレも同じ病でこの世を去りました。
シーレはまだ28歳だったのに…
感染症って恐ろしいですよね。
エゴン・シーレの目力の強い自画像を見ていると、
とても人ごととは思えません。
今のヨーロッパでも同じようなことが起きているのかと思うと、
本当にいたたまれない気持ちになります。
もちろん日本でも同じです。
けっして侮ることなく、外出を控えようと改めて思いました。
そうそう、クリムトも同じ年に、スペイン風邪をこじらせた
肺炎で帰らぬ人になりました。
フランスの詩人、アポリネールもスペイン風邪の犠牲者ですね。
安心して笑いあえる日々を早くとり戻せますように。
結城昌子
コメント
私もシーレのひまわり好きです。
故郷のクルマウの家並みを描いた風景も大好きです。
エゴン・シーレは人物画だけじゃないですよね。
家にいると、本棚にある画集や美術関係の本を手に取る機会が多くなりますね。
エゴン・シーレの作品は、画集で見ても頭がクラクラするような気がします。まさに世紀末を助走無しに駆け抜けていった作家ですね。
私が好きなシーレの絵は《ひまわりⅡ》。黒いヒマワリで、一見枯れているようですが、何のためらいもなく真っ直ぐに立っているところに、芯の強さを感じます。