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2011/07/30

夏のワークショップ

先日おこなった大塚国際美術館でのワークショップの報告です。
今回は100人で名画に挑戦です。
21世紀になって個人主義が強くなり過ぎ、
日本の社会でもコミュニケーションの重要性が指摘されていますね。
それはもちろんアートの世界でも同じです。
アートは時代が生み出すものでもあるのですから、
今には今にふさわしい表現があるのです。そして、今回の震災。
で、今年は、(個人を横に置いて)みんなで描こう! 
という挑戦を考えてみました。
たくさんの子どもたちが参加してくれて、幼児から大人まで一緒になって作る時間は本当に楽しく、私にとってもたくさん発見がありました。参加してくれたみんなに感謝です。
まずは陶板でできた実物大の作品を「ひらめき鑑賞シート」を片手に鑑賞してからそれぞれの部分を決めていざ、挑戦! 
marc10.jpg
陶板だから直接手を触れても大丈夫。
(すべての画像はクリックすると大きくなります)
marc_g.jpg
こんなことができるのもこの美術館ならではですね。
フェリシモさんの協力をいただいて、会場には500色の色鉛筆と500色のクレヨンが用意されました。(フェリシモさん、ありがとうございました。)
それを手にした子どもたちの表情は真剣そのもの。色の微妙な違いに目を凝らし、原画と何度も見比べる姿を見ていると、「色の力」を実感。色を選ぶことから作品作りは始まるのです。
maec_e.jpg
そして自分の受け持った部分を、(例えとてもそれがとても単純な部分であっても)隣に並ぶ絵に負けないように、ぐいぐいと色を塗る小さな手を見ていると、そこにはちゃんと責任感のようなもの生まれていることを感じます。
中学生以下の子どもたちとお母さん、お父さん、そしてボランティアさんも加わって仕上げたのはマルクの「黄色い牝牛」。
kokosei2.jpg
今年のテーマはドイツ絵画にしたので、高校生たちはルンゲの「朝」に挑戦しました。
runge_c.jpg
これがみんなのマルクです。
marc1.jpg
目を細めると、マルクが大好きだった黄色い牝牛が溌剌と飛ぶはねていることが分かりますよね。画像をクリックして、7月15日にアップした画像と比べてみてください。
marc12.jpg
高校生のルンゲ・・・
runge_siagari.jpg
元の絵はこれです。
runge_s.jpg
なかなかいい感じでしょ。
このワークショップは大塚国際美術館のスタッフかたがたによって、8月いっぱい毎日行われます。徳島までお越しの際は是非参加してね。
結城昌子

comments (5)

コメント

  1. M.I より:

    二つの絵の画像を見てて青と黄が気になって仕方ありませんでした。自分だけの気のせいかと思ってましたが、やはりそういうことでしたか。
    マッケのチュニジア作品にも、この二色は活躍してますね。

  2. 結城昌子 より:

    左之介さま
    500色もあると、どこが違うの? って思うほど微妙な色がいっぱい。
    普段18色とか24色とかの絵の具を使っている子どもたちにとっては、
    色数が豊富なだけでやる気もかわるのかも・・・
    と思いました。
    みんながばらばらにしてしまった500色を
    一生懸命かき集めて並べ直している小学生の男の子もいました。
    まさに色と戯れているって感じ。

  3. 左之介 より:

    結城昌子さま、ごていねいなレポートありがとうございました。この時期に「牛」に挑戦っていうところに興味をもちました。見たことはありませんが、ニュースにもなったあの「500色の色鉛筆」でドイツの色彩に挑戦ですか。いいですね、うらやましい。現場はどんなに楽しかったことでしょう。こどもたちにとっても親にとっても夏休みの素敵な一日になったことでしょう。今後ともご活躍を影ながら応援しています。できれば日本の作品にも挑戦してほしいと思うのは私だけでしょうか。

  4. 結城昌子 より:

    実は私はルンゲのことほとんど知らなかったのですが、
    青と黄色が抜群に綺麗でした。
    マルクも青と黄色に特別な感情をのせている。
    青は精神的な色で黄色は朗らかな色とか。
    ドイツの画家にとって青と黄色はキーカラーなんだと改めて感じました。
    個人的にはマッケのチュニジア作品が好きです。

  5. M.I より:

    夏休みに子供達はいい勉強ができましたね。
    そして色の力を体験するなら色相環のルンゲなのですね。

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